“蒼き鋼、帰港-”。昨年12月の「LIVE “Blue Field”」以来、約7ヶ月ぶりの「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」のイベントである「Return of“BLUE STEEL”~“蒼き鋼”帰港記念式典~」が6月29日、舞浜アンフィシアターにて開催された。ここでは昼の部の模様をお届けする。
イベント前日に放送されたスペシャル番組「Trident密着ドキュメント~航海の先に、見えたモノ~」の最後に「続編製作決定」が告知され、期待に胸を膨らませた多くのファンが集結。会場周辺にはファンが持ち寄った「ほぼ等身大ぬいぐるみ ヨタロウ」が集合したり、会場ロビーにはアイディアをこらした花束が飾られるなど、ファンの作品に対する思いの強さが伝わってくる。半円形のステージには作品に登場したパターンや超重力砲のデザインが施され、作品イメージを存分に感じさせる舞台だ。
会場が暗転し、半円形上のステージが青く染まるなかピットから”急速浮上”して登場したのはTridentの3人(渕上舞・沼倉愛美・山村響)で、まずはライブステージで盛り上げる。最初に歌ったのは彼女たちの1stシングルで作品のエンディングテーマ曲「ブルーフィールド」。ミディアムなEDMナンバーをユニゾン部分は美しく歌声を響かせ、それぞれソロパートはキャラクターの思いを噛み締めるように歌う。サビの「All I see」は会場一体となってのコール。大きな盛り上がりを受けながら、こちらもエンディングテーマとして使用された「Innocent Blue」へ。クリアな歌声がしっとりと広がっていくようすに、ファンは青いサイリュームをゆっくりと揺らして幻想的な空間を作り上げる。
MCでは「アルペジわ~」とお馴染みの挨拶からの「Tridentです!」と自己紹介。その後、ステージに残ってソロ曲を歌うハルナ役の山村は「せり上がってくるときにみなさんの顔を見たら泣きそうになりました」と、ハルナカラーの黄色で満たされた会場を見渡す。「こんなキラキラした世界に連れてきてくれたハルナに本当に感謝です。彼女の心を私を通してみなさんにお伝えしたいと思います」と語り、新曲の「Sweet Error」を歌う。ハルナのハイライトといえば蒔絵との心の交流シーン。ミドルテンポの楽曲はそのようすを歌ったもので、後方スクリーンにはその模様が映像で流れていた。間奏では反応をうかがうような視線を送っていたが歌い終えて一安心のようすだ。
続いて登場したタカオ役の沼倉がアップテンポな「My Admiral」を情熱的に歌い出すと会場はヒートアップ。恋に落ちたメンタルモデルの心をストレートに凛々しい声で歌う。バックにはファンからも人気の高い第10話「その身を捧ぐ」のクライマックスシーンが流れ、感動を演出する。間奏部では跪いてタカオの姿を全身で表現していた。
高まったテンポ感に乗せ、イオナ役の渕上はクリアな声で高らかに「Starry Night」 を歌う。ファンタジックな光景を描いた歌詞をイオナらしい落ち着きのある声で表現。全編に渡ってイオナを追ったムービーが作品を思い起こさせる。
MCでは山村待望の”トライデントウェーブ”を会場全体で完成させるなど盛り上げた後、Tridentのポップな新曲「Blue Sky」でコーラスワークを重ねる。楽しそうな渕上、集中した沼倉、ノリノリな山村と三者三様な姿が印象的だ。そしてアルバムのタイトルトラック「Purest Blue」ではさらにテンポが早く、特番で特訓の模様がフィーチャーされていたダンスの振り付けに注目が集まる中、3人は見事にやり遂げ、達成感に満ちた表情でステージを後にした。
ステージには千早群像役・興津和幸、織部僧役・松本忍、橿原杏平役の宮下栄治が登場し、進行を務める。男性キャストの3人は”BlueSteels”としてTridentのアルバムにも1曲参加をしており、こちらもウェーブを試みたり、ステージセットの超重力砲を(SEとして)撃ったりして沸かせる。続いて八月一日静役・東山奈央、四月一日いおり役・津田美波、刑部蒔絵役・原紗友里、キリシマ役・内山夕実、ヒュウガ役・藤田咲、イ402役・山本希望が登場し、Tridentも合流すると12人の大所帯に。
そこから生ボイスドラマ「タカオ、愛のプロポーズ大作戦」を展開する。内容はTVシリーズ後の時系列でタカオの恋模様を描いたコメディで、群像に思いを寄せる彼女をヒュウガがけしかける内容が主軸になり、それをハルナ・キリシマ・蒔絵が覗き込み……。
同作は7月19日より発売される「一番くじ」の景品のドラマCDのなかの一編なのだが、ここでは生ドラマだけあって役者のアドリブが満載。舞台上でセリフを待っている役者が笑いをかみ殺している姿が何度も見られたほど。もちろん客席は爆笑の渦だ。
そして次は「アニメ振り返り!ガチクイズ!!」のコーナー。興津を司会に、イ401クルー+蒔絵の「人類チーム」と「メンタルモデルチーム」に分かれて作中の本当に細かい場所にフォーカスしたクイズバトルを繰り広げるというもの。
問題はそれぞれ「ヒュウガ妄想時のテロップに書かれていた文言は?」、「静のデスクに貼ってあった写真は?」、「ハルナが『堪忍してつかぁさい』を収集したときの番号は?」という本当に細かなもので、そのシーンに関連したキャラクターのキャストも頭を悩ませるほどの難度。クイズでは珍回答までが得点となるため、それを狙いに来たり、イラストで笑いを取りに来るキャストなど大きな盛り上がりを見せ、会場は大爆笑。勢いで得点を重ねた結果、こちらのクイズは80点vs42点で人類チームの勝利。見事、商品の海上自衛隊カレーを獲得した。
あっという間のエンディングの時間となり、キャスト全員が挨拶を述べる。
「みなさん青いライトを持って来てくれて会場が海のようです。たくさんのキャストでこういう大きなステージに立たせていただけるような作品になれたのは、みなさんが応援してくれたおかげです。もっと大きな会場とか2daysとか、全キャストが揃うような楽しいイベントをまたやっていけたらいいなと思います! これからも応援よろしくお願いします!!」(渕上)
「アニメの収録とかTridentの活動が始まって丸一年が過ぎまして、こんなに長くやらせていただけるとは思っていなかったので、これはひとえにみなさんのおかげだと思っております。Tridentもキャストもスタッフ陣もどんどん絆が深まって、このまま進んで行くしかないと思っています。(会場のファンに)これからもクルーとして支えていただきたいなと思います。ありがとうございました!」(沼倉)
「アニメが終わってもなお、こういった大きいステージでイベントをやらせていただいたり、Tridentも1stアルバムを出していただけるのは本当にすごいことだとしみじみと思います。今日は壇上のステージでみなさんのお顔も見えてより絆が深まったと思います」(山村)と話し、再び「アルペジオウェーブ」を展開していた。
「皆さんとの距離が近いステージはいいですね。ひとつの作品にみんなで浸れたような気がして、ウェーブで持ちあげれられたキリクマもとても眺めが良かったと思います」(内山)
「Tridentのみなさんも毎回すごくがんばっていて、本当にライブをしている姿が輝いていて、それも皆さんの応援のお陰だと思います。再放送は終わってしまいましたが、まだまだ盛り上がっていくと思いますので応援よろしくお願いします」(藤田)
「再放送のキリクマ’sも可愛くて。でも声を当てられなくて悲しくて……(笑)。今度は”ゆーたいりだつ~”を皆さんの前でできたらいいな」(山本)
「ドラマCDの収録があってずっと続いている感じだったので、今日は作品を満喫する最後の機会だと思ったら、先ほどのカルトクイズでまだまだ不勉強だったなと。みなさんももっともっとたくさん見て楽しんでください!」(原)
「イ401のクルー全員が揃ってイベントに参加できるのがすごく嬉しくて、私も機関室においてけぼりにならなくてよかったです(笑)。Tridentの歌声を聴くと自分の気持もすごく盛り上がるなと思うことを今回歌っていたでいて再確認しました。またイベントができればと思います」(津田)
「番組でTridentのみなさんが蔭であんなに努力されているのを我々も感動して、暖かい作品だなと改めて思いました。アフレコの段階からこれほどブルーレイで見たいVチェックはないと思ったくらい、素敵な映像をみんなで一致団結して作らせていただきました。何度も見なおして楽しんでいただけたらと思います」(東山)
「自分自身、初のイベントでみなさんとお会いできて、一生の中でこんなに感動する場面はないと思うくらい感動しています。次回は101回見て(クイズに)臨みたいと思います!」(松本)
「昨年、女性陣がライブに出ているのを見ていいなぁと思って、ようやくみんながステージに揃うことができて、これ1回で終わらせたくないので、希望を持ちつつ、とりあえず今はありがとうございますに留めておきたいと思います」(宮下)
そして興津が「旅はまだ続くと思います。イ401」の声に合わせて「出港!」と会場全体で唱和してから、BlueSteelsが「蒼き空の下で」を熱唱。3人での念願のステージにラップも加わり、会場は総立ちとなり、イベントのエンディングとして相応しい雰囲気に包まれ、各キャラクターの色に合わせたライトが客席できらめく。
最後の「必ずまた帰ってくるからな!」「また会おう!」の言葉に大きな歓声が上がり、キャストが全員退出した後、スクリーンに現れたのは「劇場映画 全2作 制作決定!!」の文字。
第1弾はTVシリーズ再構成+新作エピソード、第2弾は全編完全新作というサプライズに会場は大きく沸き立ち、ファンのこれからの期待を寄せるイベントとして相応しい幕切れとなった。
セットリスト
1.「ブルー・フィールド」(Trident)
2.「Innocent Blue」(Trident)
3.「Sweet Error」(ハルナ CV:山村響)
4.「My Admiral」(タカオ CV:沼倉愛美)
5.「Starry Night」(イオナ CV:渕上舞)
6.「Blue Sky」(Trident)
7.「Purest Blue」(Trident)